airaingood’s blog

2023年3月25日大安吉日、中村倫也さんが水卜麻美さんと結婚したことを公表しました。これからも、応援していきます。

中村倫也company〜「 中村倫也 × 佐々木希『星ガ丘ワンダーランド』2016年 」

〜接点なきサポーター 〜

温人が、母親の愛情を知ることが出来て、
やっと大人になれたのかも知れませんね。

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以下は記事引用です。
中村倫也 × 佐々木希星ガ丘ワンダーランド

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2016.02.22 Vol.661 映画

心の奥の“思い出の風景”がよみがえる―。切なくも温かいミステリー
コメディーからシリアスまで映画、ドラマ、舞台問わず多彩なジャンルで幅広い役どころを演じ分ける俳優・中村倫也と、2008年の映画デビュー以来、着々と女優としてステップアップしている佐々木希。仲の良い“先輩後輩”である2人が、真っ向から気持ちをぶつけ合った!? 話題の感動作を語る。

改めて感じた俳優同士のリスペクト


 20年前に去った母が、家族の思い出の場所で命を絶った。母は本当に自殺なのか。突然に母を失った兄弟と、突然に母がやってきた姉弟。美しい母の謎の死をきっかけに、2組の兄弟の人生が交錯していく…。


 人気CMクリエイター柳沢翔が、豪華キャストを揃えオリジナル脚本で監督デビューを果たした注目作。物語の軸となる男女を演じた中村倫也佐々木希は、ドラマ『土俵ガール』や映画『風俗行ったら人生変わったwww』など、過去に幾度か共演を経験。インタビューでも笑いが絶えず、良き役者仲間の先輩後輩といった様子。今回の共演でお互いに再発見したことは、と質問すると。


佐々木希(以下:佐々木)「中村さんは、尊敬する先輩なんです。これまで3〜4回ほど一緒にお仕事をさせて頂いているのですが、今回共演して改めて、その集中力や撮影現場に臨む姿勢に尊敬を抱きました。お芝居に関して話し合うことは特に無かったんですけど、中村さんが常に良い空気感を作ってくださっていたので、とても助けられました。中村さんは集中するところはしっかり集中して、それ以外のときは砕けた感じで気さくに話しかけてくださるので(笑)、私も中村さんを見習おう、と思っていました」


 一方、先輩・中村が思っていたこととは…。


中村倫也(以下:中村)「きれいな顔してるなぁ、と思っていました。きれいな顔しているいい子だな、と(笑)」

佐々木「いい子ですか(笑)」

中村「これまで、佐々木はキラキラした役を演じることが多いというイメージがあったんですけど。共演した作品でもそういう役どころが多かったと思うし」

佐々木「そういえばそうですね」

中村「でも今回演じた七海は、感情を押しこめて生きているというか、少し幸うすい感じの女性。きっと男運悪いんだろうな、身勝手な男と付き合ってきたんだろうなと思わせる役どころで(笑)、佐々木はそういう役もハマるんだな、というのが新たな発見でした」


 今回2人が演じたのは、とある数奇な絆でつながった義兄妹。中村演じる主人公・温人(はると)は、幼いころ母・爽子が突然、去っていったという過去を引きずりながら生きてきた青年。幼き日、去り際に母が落とした赤い手袋の思い出ゆえか、温人は駅に届けられる落し物を、ただの“モノ”と割り切ることができない。落とし主を想像して似顔絵を描いてみたり、落とし主が現れたビニール傘をごみ処理場にまで探しに行ったり。


中村「温人は、体は大きくなっているけど、心のどこかが成長できていない、時計の針が止まったまま生きてきた青年だと思います。きっと、波風が立つことを好まずマイペースに生きてきたんじゃないかな。心の中で、家族というものに対するあきらめなのか憤りなのか、いろいろ抱えて生きてきたけど、それに対して真正面から向き合い、解決しようとしてこなかったんですよね」


 そんな温人の中で止まった時は、思いもよらない知らせで動き出す。


中村「温人は、この物語の始まりでもある母の死をきっかけに、自分の生い立ちの、コンプレックスとなっている部分を追い求めていく。その過程で、母の再婚先の姉弟である七海と雄哉、ごみ処理場で働く楠らと出会い、ときにぶつかり合ううちに、やっと時計の秒針がカチッと動く。これは、その瞬間を切り取った映画なんだと思います。」


 佐々木が演じた七海は、その爽子が父との再婚により母となったものの、血のつながりが無い事実に悩みながら生きてきた女性。爽子の自殺に苦悩する父や弟の前では明るく振る舞い続けているが、爽子の実の息子、温人と出会い…。


佐々木「七海は、自分は姉だからということもあってか思っていることをあまり口に出さないんです。母とのことも、本当の家族になりたいと思っているのに心のどこかで自分は実の娘ではないという思いを抱えているんですよね」

中村「七海も、コンプレックスを強く抱えている女性だよね」

佐々木「言動から、ずっと抱え込んでいるんだな、と感じますね。でもそんな思いも言えないで、笑顔を見せたりしている。それがすごく健気なんですけど、演じていて私もとても苦しかったです。だから、七海が温人と語り合う場面では、報われて良かったなと思いました」


 幼いころに爽子が作ってくれたリンゴスープの思い出を共有した温人と七海は、いつしか互いの心をさらけ出していく。“先輩後輩”の2人が真っ向から芝居の情熱をぶつけ合い、感動的なシーンを作り上げた。


佐々木「2人で感情を出し合ったあの場面は、やっぱり一番印象に残っていますね」

中村「リンゴスープを飲んだ帰り道のシーンね」

佐々木「ずっと我慢して生きてきた七海が初めて、自分の気持ちをきちんと言えた場面でもあるし。物語の順番通りの撮影というわけではなかったんですけど、撮影が終わりのほうでしたので、気持ちも十分に高めることができたのでありがたかったです。ただ、ものすごく寒かったんですよ(笑)。氷点下だったんですよね。寒すぎて口が開かなくて、焦りました(笑)」

中村「雪は降ってなかったけど、寒かったよね。ちょっと鼻炎っぽくなってたもんね」

佐々木「そうなんです。鼻がぐずついちゃって」

中村「佐々木は、ハナミズもきれいなんですよ」

佐々木「そんなはずないでしょ(笑)」


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“いろいろな家族のかたち”に2人は…


 自らの本当の気持ちに気付いた2人は、すれ違っていた実の兄弟とも向き合おうとする。


中村「もともと僕は家族の物語がけっこう好きなんです。僕にとって家族とは、切っても切れないもの。血脈というのは、この世で唯一、絶ちきれないものなんじゃないかな、と思います。僕はごく普通の温かな家庭で育ちましたけど、世間にはいろいろな家族の形があって、どんな形であれ血のつながりというのは、ルーツとしても人間形成のうえでも、そこにあるもの。父母が出会わなかったら自分は存在しないわけですから。今回、そんなことも考えながら演じていましたね」

佐々木「血のつながりのある無しが、これほど愛や憎しみを生むことがあるんだなと思いましたね。七海の場合は、母親と血がつながっていないということに縛られて、自分は本当の家族じゃないんだとずっと思い続けてしまっていた。もちろん血のつながりは大事だと思うのと同時に、家族の絆はそれだけじゃない、と私は思うんです」


 母の死をきっかけに、数奇な絆でつながった4人の子供たち。もつれ合った糸がほどけたときに明かされる、母の死の真実。すべてを知った温人は、この先どんな道を歩むのか。


中村「きっと温人はこれから、人に対してもっと優しくなれるんじゃないかな。温人は、演じていて“その後”が楽しみになるキャラクターでもありましたね」

佐々木「七海は、ちゃんと甘えられるような人になっていたらいいな。すでに、その兆候は表れていたので大丈夫だと思いますけど(笑)」

中村「そういえば、ほぼスッピンで演じてたんだよね」

佐々木「そうです、ほとんどメイクしていませんでした」


 柳沢監督いわく、ノーメイクなのに佐々木が可愛らしく、困ってしまったとか…。


中村「口説かれたもんね、2人でリハーサルしようって…」

佐々木「口説かれてないです(笑)。そもそも監督は、そういうタイプと正反対の方なので、口説くとか想像できないですね(笑)」


 中村、佐々木をはじめ爽子役の木村佳乃の他、新井浩文菅田将暉、杏、市原隼人松重豊という豪華な演技派たちが揃っているのも本作の見どころだが、そんな豪華俳優陣を率いたのが、長編映画初監督となる柳沢翔。CMの分野においては国内外で数々の受賞歴を誇る、若き名クリエイターだ。


佐々木「監督は普段、本当に控えめな方なんです。ただ、撮影に入る前お話させて頂いたとき、とても熱いものを持っている方だなと感じました。撮影中も度々、もの作りに対しての熱い思いが見える瞬間がありました。私も頑張って一緒に作品を作りたいと強く思いました」

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中村「長編初監督だからこその意気込みみたいなものも感じました。並々ならぬ情熱と愛情というか。自分はこういう映画を撮りたいんだという一心が、すごく伝わってきました。柳沢監督の処女作となる本作の現場に立ち会えて本当によかったと思います。経験は、もちろん大事なんですけど、経験が錆になってしまう場合もあると思うんです。それがまったく無いのは、1作目しかないと思うんですよね。粗削りな分、輝きも乱反射するというか。それに、監督はアイデアも豊富な方で、人が興味を引く映画的手法、見せ方を全精力で持ち寄ってくれたので、ご一緒できて本当に楽しかったです」

佐々木「監督は、長編映画は初監督ですけどCMの世界で、いくつも賞をとっていらっしゃるんですよね。この作品に入る前、監督の撮った映像を拝見したんですけど、キラキラ輝いていて、今まで見たことの無い映像だったんです。こんな映像を作る方が映画を撮ったらどんな作品が出来上がるんだろう、というワクワク感がすごくありました。監督のそういった才能を、きっと皆さんも楽しんで頂けると思うんです。すごくユニークな撮り方をされることがあって、私自身完成作を見たときにどうやって撮ったんだろうと思うシーンも多くありました。車の中で雪が降るようなシーンとか…どうやって撮っていたんですか?」

中村「上のほうに雪を入れたビニールがあって、窓からカシャカシャ揺らして降らせてたんです。大変だったんですよ。旧式のクラウンだったんだけど、インキーしちゃって(笑)」

佐々木「へえ~。そういうアイデアも、初めてでしたし」

中村「実はアナログな方法で撮ってたんです(笑)」

佐々木「そうなんですよね。撮影方法はけっこうアナログっぽくて、手作り感があって(笑)。みんなで映画を撮っている感がありましたね」

中村「スタッフが若くても映画に対する愛情と情熱を持っていて、すごくいいチームでした」

佐々木「すばらしい現場に出会えたと思いました」


 家族の別離と、悲劇によってもたらされた再会。見る者がそれぞれに、幼いころの思い出の日をよみがえらせる、切なくも温かい感動ミステリーだ。

(THL・秋吉布由子)

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