中村倫也company〜「サイレントトーキョー・インタビュー抜粋」

〜接点なきサポーター 〜

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中村:僕が演じた須永は、前半と後半で印象がねじれていく役でした。(佐藤)浩市さんがおっしゃったようなミスリード的な部分でいうと、観る人の「この人は何なんだろう?」という心をずっと引き付けていくミステリアスさが、まず必要なものとしてありましたね。
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それに須永の探求している一本の軸があり、その役割も全うしつつ、順を追って観ていくと「実際はどうだったのか」や「どういう欲を持って行動していたのか」と符合がいき、そこから推進力で引っ張れるような…そんな役割を意識しながら、役作りを行いました。

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中村:須永が抱えているのは「家族」の遠い記憶なんですよね。いくつか思い出もあるけれど、きっとそこから塗り替えられている部分もあるんじゃないかなと思います。記憶って、劣化したり美化したりするものじゃないですか。


とはいえ鮮明なポイントはあるだろうなと思いながら、「さてどうするか」と一生懸命考えていきました。なんだか不思議な感覚でしたね。台本に書かれていないシーンが、浩市さんと対峙した瞬間にふわっと頭の中によぎったんです。それは、自分のリアルな経験から来ている部分もあるでしょうし、よぎったといってもおぼろげで具体性がなく……何とも言い難い体験でした。

須永にも、様々な事情や想いがあって、演じているこちらとしても「これがこうでこうなる」という理論立てたものとはまた違った、それでいて妙な実感があったシーンでした。


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中村:出来上がったものを観たときに、渋谷でこんな大規模なシーンをたくさんの人を動員して撮っている“光景”を今まで観たことがなかったから、驚きが大きかったですね。「これ本当に渋谷で全部撮ったんだろうな」と思っていて、あとから「足利で撮った」と聞いてびっくりするんじゃないかと感じるほど、説得力のある仕上がりでした。

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あと、スクランブル交差点に集まっている人たち…つまり“日本国民”というものが、大事な登場人物の一つである気がしています。それぞれは一人ひとりの個人ですが、集まった際のマジョリティというか群像というか、それがこの映画のテーマを象徴する大切な存在だと思っています。

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西島さんがおっしゃる通り、それを成立させるのは並大抵のことじゃないですよね。グリーンバックに囲まれて、役者ひとりが想像力を働かせて芝居する×何千をやっているわけじゃないですか。このシーンを撮られたことが、作品にとってすごく大きかったんじゃないかと思います。

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(役を引きずるか?という話)
中村:僕も引きずることはないですね。たぶん、僕と勝地はバカなんだと思います(笑)。

勝地:(笑)。

中村:僕らには繊細さがあまりないんじゃないかな…。


――それぞれの役者さんのスタンスや、作品によっても変わりますよね、きっと。

中村:そうですね。あえて日常生活に役を入れてみることはあります。それでどうなるか見てみたくて。でも、引きずるということはないかな。


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