〜接点なきサポーター 〜
ものすごく凝縮されている回が続きますね。
楽しみです!
でも、終わりが近付くのは寂しいです。
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以下は記事引用です。
中村倫也から「琉弥だったらどうする?」 宮世琉弥が可愛くて怖い“ぼっちゃん”になる過程
TV 公開日:2021/05/17 25
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「自分が能ある鷹だと思っているなら、その爪は全力で隠してね。でないと、爪を剥がされるどころか、指落とすよ♪」
「やっと見つけたよ?僕だけのと~らモンっ♡」
血だらけの磯村勇斗をいたぶり、中村倫也の顔を一瞬で凍てつかせた17歳。
中村倫也が主演を務めるドラマ『珈琲いかがでしょう』(テレビ東京系、毎週月曜よる11:06~)で、第6話から登場し「可愛いけど、めっちゃ怖かった」「原作のイメージとぴったりでゾクゾク」と視聴者に大きなインパクトを与えたのは、17歳の俳優・宮世琉弥。中村演じる移動珈琲店の店主・青山が過去に属していた暴力団の三代目組長・通称「ぼっちゃん」を演じている。
“ラップ落語”が大反響となったドラマ『恋する母たち』(TBS系)や『青のSP(スクールポリス)-学校内警察・嶋田隆平-』(カンテレ・フジテレビ系)などに出演し、俳優としての階段を着実に上っている宮世にインタビュー。ぼっちゃんというキャラクターを自分に落とし込むまでの細かい過程や、中村倫也との芝居中のやりとり、磯村勇斗ら共演者と「レベルが違う」と感じた今の自分の状態など、とても率直に明かしてくれた。そこで感じたのは、素直さと熱さだ。
まずは現場に入る前。
――共演者のことを考えながらシミュレーションされるんですか?
「家の中で廊下を歩きながら、頭の中で想像してセリフを言いながら覚えていました。」
――現場でそのシミュレーションと違うことが起こったりもするんですよね?
「そうなんです。引き出しをバンバン開けていくしかないので、そこからどう対応できるかっていうのが、役者をやらせて頂いている上ですごく大切なことだと思うので、ちゃんと対応できるように頑張ってます。」
――いろんなパターンを考えていくんですか?
「そうですね。監督さんにここは違うって言われたとき、どうやればいいかっていうのを自分で持っとかないといけないんで。そういうときに引き出しからすっと出せるように、パターンを増やしていっています。」
――「何考えてんだ?こいつ」と思ったキャラクターを自分に落とし込むために、どういうふうに持っていくんですか?
「想像ですね。もし親がいなくなったら…とか自分のことに置き換えて、“もしこういうことが起きたら、自分だったらこうするな”っていうのを考えます。」
――演技として“こういうふうにしたい”というのを共演相手から感じたりするんですか?
「例えば僕が怒鳴るお芝居をするときに、相手をガッと引き寄せて怒鳴ったら、相手も『ウッ』っとなって、(セリフが)出やすくなるじゃないですか。(ただ単に)怒鳴るよりも、引き寄せた方が相手も自然に「やめろっ!」って出やすくなると思うんです。それを自分たちが演じていくうえで、どうやって出していくかっていうのを考えたりしますね。」
身振り手振りを交えながら、こちらにわかるように丁寧に説明してくれた宮世は、とても生き生きとして見えた。そしてこう続けた。
「それもあって、そのシーンの目的とかを最初に考えちゃうんです。撮影が始まる前に、シーンの目的をいっぱい考えて、自分がどうしたいか、“青山に復讐したい”、“青山にこんなことがしたい”、“なんであいつこんなことしてくれなかったんだよ”みたいなことを頭の中で無限ループさせて、(カメラが回って)“パッ”(切り替わる瞬間)で撮影が始まりますね。だからもう、本当にぼっちゃんになってるって感じでやってます。」
ぼっちゃんになり、共演者と交わっていく。
「もうホントに相談しすぎていて、なにを相談させて頂いたかも全然覚えてないんですけど(笑)。でもそれは体にしみついているので。」
――宮世さんが提案したこともあるんですか?
「中村さんは『これ琉弥だったらどうする?』みたいに聞いてきてくださって、『僕だったらこうします』(宮世)『じゃあそれにしたらいいじゃん。俺はそれに合わせるよ』(中村)みたいなことも言ってくださるので、すごく楽しかったですね。」
――ハードなシーンで緊張は?
「すごくしましたが、乗り越えなきゃいけないなって思ったので、頑張って乗り越えました。」
――中村さんのイメージは共演されて変わりました?
「変わりました。現場ではすごい笑わせてくださったりして。本当に優しかったです。」
――笑わせてくれたことというと、例えば?
「海外ドラマって長い作品もあるじゃないですかシーズン1、シーズン2…って。僕がセリフをミスするたびに、『シーズン1始まったよ』『シーズン2だよ、これ』みたいに緊張感を和ませてくれました(笑)。」
ドラマ途中からの参加、しかも宮世曰く「経験したことのない台詞量」だったという今作に対して、「すごいプレッシャーでした」「自分が迷惑かけたらどうしようみたいなプレッシャーに押し潰されそうになってて」と明かしていたが、それでも宮世が「楽しかった」と言えたのは、ひたむきに役に向き合う宮世に対して、中村をはじめとした共演者たちからの支えがあったことも大きいのだろう。
しかし、そんな現場で宮世は、楽しさと同時に別の思いも持っていたようだ。
サウナという共通の趣味で盛り上がり、すごく仲良くなったという磯村との芝居について尋ねたとき、こんな答えが返ってきた。
「みなさんレベルが違いますね。これは本当に感じました。自然とまわりの空気を変えていく力がすごくあるので、僕は今それに飲み込まれないように必死にもがいている状態。自分で飲み込んでいくんじゃなくて、まだ飲み込まれないように必死に泳いでるって感じでした。次会う時までには、少しでも成長した姿を見せられるように頑張ります!」
痛感したレベルの違い。悟った現在の自分の位置。それでも、「次会う時までには…」と明るく答えた。
今作への出演が発表される前、
「『なんでこの子なの?』みたいになりそうで怖いんですけど(笑)、でもドラマを観てもらって、『この子でよかった』って思われるような作品に…“なった”と思うので、ちょっと不安ですが、すごく楽しみです。」
恐いと正直に打ち明けながらも、“なった”と言う声に力がこもった宮世からは、この作品でまた一歩前へ進んだ手応えや自信が感じられた。
いよいよドラマはラストへ向かう。「この先ぼっちゃんがどういうことをしていくのか」。物語の結末とともに、俳優・宮世琉弥の一歩を見届けたい。
文:長谷川裕桃