中村倫也company〜「ファーストラヴの感想、評価が凄い!」

〜接点なきサポーター 〜

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皆さん、真面目評価してくださって、います。

目立つのが我聞さんに救われた、

めっちゃかっこいい、

ダンナさんに欲しいなどなど

我聞さんモテモテです。

芳根さんの演技にも高評価でした。

倫也さんは、地味めでした。

もう少し、幼少期とか

背景を入れてくれたら評価も

違っていたのかなと思いました。

迦葉に対しての背景が少ない分、

せっかくの素晴らしい演技が理解されず

なぜホテルで

どうして、あんなふうに?

となっているかも知れませんね。

やはり背景が欲しかったです。




この評価凄くないですか。

玄人の方でしょうか。


以下は記事引用です。
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nanananafilm
4.6
2021/02/18 21:03
あなたのカウンセリングとなり得る作品である。

はじめに
日劇場で映画を観て、この「本気のキャストと本気のスタッフの本気の作品」を受け取って、何を返せるか、どうやって抱いた気持ちを発散させられるかと考えたとき、筆者も作品に真摯に向き合ったレビューを書こうという決意をした。
初めてまともに起承転結に触れようと書き始めたレビューなので、至らぬ点には目をつむっていただきたい。

作品について・あらすじ
下記の一文は本作品のパンフレットからの引用である。

"〈前略〉タイトル『ファーストラヴ』に象徴される、「人間」についての、「人が最初に受けるべき愛」についての根源を探る物語である。"

本作はある女子大学生による父親殺害事件を、公認心理師(※)とある過去を持つ弁護士が真相解明する物語だ。その過程で私たち観客の心まで解きほぐし、過去への向き合い方を教えてくれるような物語である。観終わった時、その人の心は少なからず浄化されているだろう。
 ※公認心理師…国家資格に基づき、心に傷を負った人にカウンセリング等を通してケアを行う専門家

主なキャスト
※役名(読み仮名)-俳優名
真壁由紀(まかべ・ゆき)-北川景子
庵野迦葉(あんの・かしょう)-中村倫也
聖山環菜(ひじりやま・かんな)-芳根京子
真壁我聞(まかべ・がもん)-窪塚洋介
聖山那雄人(ひじりやま・なおと)-板尾創路
聖山昭菜(ひじりやま・あきな)-木村佳乃
小泉裕二(こいずみ・ゆうじ)-石田法嗣
真壁早苗(まかべ・さなえ)-高岡早紀
賀川洋一(かがわ・よういち)-清原翔
聖山環菜(回想シーン)-坂上梨々愛
真壁由紀(回想シーン)-菊地麻衣

あらすじ(注意:若干物語の主要部に触れています)

物語は血まみれの包丁を持って虚ろな目で川沿いを歩く環菜(芳根京子)の描写から始まる。その足取りはふらふらと当てがなく、目には深い絶望の色が浮かんでいる。
一方、由紀(北川景子)が公認心理師の仕事をひと段落させ帰宅すると、自宅では夫の我聞(窪塚洋介)が由紀のために料理を仕込みながら待っているところであった。外で忙しくて働く由紀に対して、主に自宅兼スタジオで家族写真を撮るカメラマンの我聞は、柔らかい雰囲気で彼女を支えつつ家庭を守っていることがわかる。


由紀はある依頼を受ける。それは世間で話題になっている、女子大学生環菜による父親の刺殺事件であった。センセーショナルな事件の内容と、被害者である父親は著名な油絵の画家であったことから、世間は環菜を「父親殺しのサイコパス」として祭り上げた。由紀は事件に関するノンフィクション本の執筆依頼を受け、公認心理師ルポライターとして彼女と面会を行う。そこで見た彼女の姿は、世間が騒ぎ立てる「サイコパス」というイメージとは違い、純粋さと不安定さを併せ持った幼い少女のように見えた。公認心理師という立場から、また一人の人間として、「自分でも動機がわからない」と話す環菜の助けになりたいと考える由紀。担当弁護士・迦葉(中村倫也)とともに事件の真相へ迫るのであった。


環菜自身への熱心な問いかけと、環菜の過去を知る関係者に取材をするうち、由紀と迦葉は「デッサン会」というキーワードを耳にする。それは環菜の少女時代に、彼女を絵のモデルとして父親が開催していた、美術学生向けのデッサン教室であった。「学生は男性だけ」「数時間ポーズをキープする必要がある」「彼女はモデルの仕事を辞めたがっていた」。関係者からじょじょに情報が集まるうちに、次第にその場の異様な雰囲気と、彼女が育ったいびつな環境が輪郭を見せ始める。
さらに、由紀と迦葉が対面した際の緊張感の理由が描かれる。二人の歴史は大学生時代に遡り、そこには二人が決して触れないようにしている傷があった。


環菜の事件を通し、過去の傷と向き合う由紀たち。
いよいよ裁判の日を迎え、裁判官に環菜が事件の日の行動に至った経緯を理解して欲しいと願う由紀たちであった。
そして激動の裁判が幕を降ろすとともに、彼らの表情も以前とは異なったものなっているのであった。

筆者の感想
「ファーストラヴ」という流行り物っぽいタイトルからライトな内容をイメージしていたが、予想よりも遥かに中身が詰まってズッシリと重みのある映画であった。
全体を通して、重要な役どころでカメラマンの登場人物(窪塚洋介)がいることも関連しているのか、場面の一つ一つが写真のように美しい。計算され抜かれた構図である。
特に写真展での北川景子窪塚洋介の出会いのシーンは必見だ。去り際、ドア枠越しに日光を浴びる北川景子。ぜひ映画館の大画面でその美しさを味わって欲しいと願う。(筆者はよくスマホやPCの小さな画面で映画を見るが、小さな画面ではその構図の美に留意できていなかったかもしれない)
見どころは他にも、由紀と迦葉の大学生時代がとても可愛い。若々しい役を違和感なく演じる二人に、役者としての技術とスタッフの撮影技術に驚かされる。

各俳優に対する感想
芳根京子さん
芳根京子の演技がとにかく天才的であった。
登場シーンでは、あまりの凄みとイメージチェンジ振りに「誰だっけ、この女優さん?」とすぐには認識できなかった。
彼女の役は最初、「陰鬱で危険で理解不能な犯罪者」という印象で、観る側にも緊張を強いる。しかし物語が後半に向かうにつれ、彼女がただの人間でありることがわかる。また、一見異常な行動に対してもそうせざるを得なかった原体験が紐解かれていく。
奇妙な表現だが、彼女がだんだんと人間に見えてくる。正確には彼女が「1人の当たり前の喜怒哀楽を持つ人間であること」がわかってくるのだ。

北川景子さん
北川景子は役が抱える悲しみを自分のものにしていると思った。この役は、周囲の男性に敬意を払い上手くやっていきたいと思いながらも、男性の欲望に対して消しきれない本質的な嫌悪感を持っている。彼女は明るく振る舞い、場の空気を良くするように終始努めているが、ときおり傷を抱えているんではないかと勘繰ってしまうような影が見える。彼女がトラウマに胸を押さえて息を詰まらせるシーンでは、筆者も胸が苦しくなって心臓が早鐘を打った。つられて過呼吸になってしまう人もいるかもしれないような迫真の演技であった。
また、細かい好みを述べると筆者は北川景子が「そっか」と相槌をうつ演技が好きだ。迫力があるほど美しい女優だが、「納得して素直に相槌を打つ一般女性」の演技が光っている。彼女の「そっか」は親しみやすい。その可愛らしさから、彼女が作中の男性から愛されるヒントを得た気がする。

中村倫也さん
中村倫也の持つ演じ分けのスキルに私たちは翻弄される。
大学生時代の中村倫也は、ミステリアスながらも一挙手一投足を目で追いたくなるような魅力的で爽やかな青年であり、観る人の気持ちを穏やかにさせていた。しかし、反対に現在の姿は観る人にピリッとした緊張を与えるような鋭い佇まいである。現在の彼はまるで別人のように人を寄せ付けないオーラをまとい、スクリーンを超えて私たちに恐れと緊張感を与え、つい彼の目を見るのが怖くなるような存在になるのだ。観る人はそんな中村倫也の緩急のついた演技に翻弄されるだろう。
彼は浅薄な役どころである。その上、一皮剥くと心の満たされなさから生じる子供じみた雰囲気を滲ませる難しい役を見事に演じきっている。今作の中村倫也は決して白馬に乗った王子様ではないのだ。
特に裁判シーンが必見。中村倫也は撮影に挑むにあたり、法律監修をした弁護士の実際の裁判を傍聴に行ったという。そのシーンの完成度というと、ニュースなどで断片的にふれる裁判よりもっとずっと「本物」の裁判なのだ。筆者は初めて創作に「本物」の裁判を見た。

窪塚洋介さん
窪塚洋介の悟りの境地のような優しさ、静かな海のような穏やかさが神々しい。
後半に至るまで窪塚洋介の影は薄かった。しかし、北川景子が隠された真実を知るのと同時に、筆者は考えが浅かったことを恥じ入る気持ちになった。何もかもわかった上で、言葉や態度に出さず、ただ愛する人たちを信じて見守ることを徹底していた窪塚洋介の役に、人の目指し得る高潔さを垣間見る。沈黙は金という言葉が彷彿とさせられる。いわば本当の主役の存在に気がつき、目に見えることばかりに気を取られる自分の浅はかさを恥じるのだ。
また劇中では我聞の名前の由来が解説される。「如是我聞(にょぜがもん)」という、「仏の言葉を聞く」という意味の仏教の言葉だそうだ。この名前自体も緩やかな伏線なのかもしれないと、彼のことを知ると想像できる。彼はいつも自分の話はせず、無理に相手の話を聞き出すこともせず、相手の話したい内容だけを傾聴している。その優しい眼差しに後光が見えるかのようだ。
ちなみに、名前でいうと「迦葉」もまた釈迦の弟子の名前であり、仏教由来の命名のようだ。筆者に正確な解説は不可能だが、「聖山」という名字をとっても、登場人物に宗教的な由来を持った命名をしている可能性は高そうだ。

石田法嗣さん
石田法嗣の独りよがりな役の演技。環菜の初恋の人「ゆうじくん」の狼狽した自己保身っぷりを自然と演じた。私は映画を先に、原作を後に読んだが、小説の文章を読みながら、自然と脈絡の無さそうな順番で話す彼の映像が浮かんだ。物語に馴染む演技である。

板尾創路さん、高岡早紀さん、由紀の父親役の方(俳優名不明)
父たちの「目」が本当に怖いのだ。「目が怖くて逃げ出した」「どうしていいかはわからなかった」と証言する環菜。傍から聞いていると「そんなのは言い訳だろう」と思ってしまうかもしれない。しかし、私たち観客は、その「目」の恐ろしさを知っている。少女の安全を根底からひっくり返す、その「目」の迫力を知っている。そして彼女と同じ空間にいる裁判官以上に、環菜の証言の説得力を理解する。

清原翔さん
環菜の証言の違和感に気がつくきっかけとなる重要な役を演じた清原翔。観る人の先入観によって、軽薄な若者にも素直な青年にも見えるカメレオンっぷりだ。

今作から受け取ったこと
ファーストラヴというタイトルは少し軽い印象を受けていた。流行り物っぽいタイトルからライトな内容かと思い観たが、予想よりも遥かに中身が詰まってズッシリと重みのある映画であった。
性別による区分けは正確ではないが、それでも男性である堤監督が、女性の心の傷を生々しく映し出す本作品を撮ったことは驚きだ。しかしそのエグ味ともいえる部分は、ある意味劇中の出来事を「他人事」として客観視できる人の手でなければ映像化が困難であったかもしれない。それほど観る人の胸に迫るテーマなのだ。

少なくない人が、異性の要求に応えられなければ、期待はずれに思われて嫌われるかもしれないという恐れを抱いたことがあるだろう。「女性失格」「男性失格」という烙印を押されないために、本心とは違った行動に出てしまったことがあるかもしれない。今現在や過去に、環菜のように相手を性的に満たすことを外交手段のように使っている人もいるかもしれない。では、人が初めてそうなってしまった瞬間はいつか。そのとき人はどんな表情を浮かべているのか。そのきっかけにフォーカスする機会は、この作品を除いてはなかなかないだろう。

筆者にとって多くの邦画はしんどい。あまりにもクリティカルな問題が心をグサグサと刺してくる。だから筆者は個人的にもう少し心を守るための距離をとれる洋画を見ることが多い。
だが、今作を通して感じたのは、こちらが半ば傷を負うことになるからこそ得られる何かがあるのということだ。彼らが本気で編んだ今作「ファーストラヴ」に関してはそういう風に向き合うことで初めて得られるものがある。

由紀たちは事件を通し成長していくが、これは「映画の中でだけ起こる奇跡の成長物語」ではない。誰もに何かを通して自分の人生を見つめ直す局面が訪れる。ファーストラヴの中ではそれが偶然この環菜の事件であったに過ぎない。

多くの人は本音を包み隠して生きているだろう。傷付かないように不利益を被らないように。幼少期の経験に始まり、何度も痛い思いをするうちに、次第に最初から期待なんてしていなかったように自分に言い聞かせ、周囲に武装した心だけを見せるようになる。私たちは多くを諦めている。「あの人との関わりはもう失ったから」「性格は今から変えられないから」と多少なりとも自分を説得しながら生きているように思える。

しかしこの作品は、1時間59分をかけてゆっくりと私たちの心を解きほぐしてくれる。絡まったスパゲティを一本ずつ解いていくように。そしていつの間にかスクリーンの中の人物も、それを観る私たちも、蓋をしていた心の柔らかい部分に向き合うことになる。

誰もが初めは柔らかくて無垢な心を持っていたはずだ。それが傷つけられたとしても、生きて成長し続ける限り、その状態に少しずつ還っていくことは可能なのだということを本作は教えてくれる。ただし、過去と向き合う覚悟は必要だ。

筆者は、人間の心を開き尽くすとそこには"聖なるもの"が横たわってると感じる。むしろ、そういった剥き出しの赤ん坊のような心を、私たちは自然と”聖なるもの"と感じるようにプログラミングされた存在なのではないかと感じる。

人生の大抵のことは包み隠した心でもうまく器用に乗りこえられてしまうかもしれない。しかし、心の深い場所にある孤独を取り去りたいと願ったとき、私たちには心の包み紙をそっと開いてみせることでしか決着できない瞬間が訪れる。生チョコレートのように繊細な心の内を。

その他のスタッフ
下記は、主要キャスト以外にも本作に関わった製作陣のうち、ほんの一部を抜粋したものである。全ての方を紹介できないのはもどかしいが、敬意を表して記載させていただく。

原作-島本理生(しまもと・りお)『ファーストラヴ』文藝春秋(2018/5)
他の代表作:『ナラタージュ』角川文庫(2008/2)、『Red』中央公論新社(2017/9) 等多数
監督-堤幸彦(つつみ・ゆきひこ)
脚本-浅野妙子(あさの・たえこ)

製作陣には他にも、本作のために透明感のある主題歌・挿入歌を作詞作曲し歌い上げた歌手のUru(ウル)さん、自身の作品を我聞の撮った写真として提供されたフォトジャーナリストの安田菜津紀(やすだ・なつき)さんと佐藤慧(さとう・けい)さんご夫妻、脚本監修でリアルな公認心理師とクライエントの関係を表現された公認心理師の福島哲夫(ふくしま・てつお)さん等、枚挙にいとまがない。

最後に、療養中の清原翔さん、早くご回復されることを心よりお祈りしています。


中村倫也中村倫也中村倫也