〜接点なきサポーター 〜
書き取りは、二日間に渡ってしまいました。
今回は
「美食探偵 明智五郎」についてから
始まります。
この文章を読んで、観たくなりました。
「美食探偵 明智五郎」の
一気・・・映像を流しながら
書き取りいたします。
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ー そして、大反響放送中の
「美食探偵 明智五郎」について。最初は少し型というか、明智のポーズのようなものがあったかなと。
「原作マンガの明智がそうなので、
申し訳程度に入れたりしていたけど、
最近はあまりやってないですね」
ー 中村倫也が演じるからには、そうじゃない部分が出てくるだろうと思いながら見始めました。
「うん。それに徹するのは不可能だしね」
ー そういう場合はどうアプローチしていくんですか?
「諦める」
ー え?
「いい意味でね。見ている人の中は、
“なんかだんだん変わってない?“
と思っている人もいるかも。
1話とか見ていると、
自分でも身動きしづらそうだなって
感じた。
それが本当にいい意味で、
“ま、いっか”になってきて」
ー きっかけはあったんですか?
「最初は、“どうすっぺなぁ”と
考えていて。そこから・・・2話、3話くらいかな。自分の中でグルーヴが生まれてきた。無駄な力が抜けてきたというか」
ー 実写にすると、なかなか難しい役柄ですよね。
「そうね。
あと、やっぱり身体に染みつくまで時間のかかる役があって。明智はわりとそう」
ー それは何が邪魔しているんですか?
「マンガのセリフ通りに脚本があったり
するから」
ー なるほど。
「マンガの強みとドラマの強みは
違うから、
その距離は苦労した。
でも、マンガに沿うことは必要な訳で、
それを乗りこなすのに時間はかかったし、
マンガはマンガなんだということも
改めて感じた。
今後自分がやっていく上で、
確実にひとつの指針にはなる
作品だと思う」
ー だとしたら、先程おっしゃった「諦める」とは?
「あのですね、
僕が言う“諦める”と世間のみなさんが
考える“諦める”はどうやら
違うみたいです。
感覚として。これ、
最近わかったことなんだけど。
諦めるって、
すんごいいい言葉なんですよ。
だって、出来ないことを知るってこと
だから。
出来ないことをやろうとして、
気づいて、やり方を変えるってこと。
それが僕の“諦める”。
最初に想定した道が無理だと
わかったから、
別の道を開拓したらしっくり
きたっていうね。」
ー 「諦めるな」とよく言われることからも、この言葉自体は後退するイメージでした。
「違います、前進です。
僕にとっては、失敗も前進なので。
失敗しないと成功出来ないし。
だから、ポジティブといったら
ポジティブですよね。
でも、物事を追求するって、
そういうことだと思う」
ー 諦めも失敗も前に進む言葉だとして、中村さんにとって後退を意味する言葉はあるんですか?
「基本的にはない。だって、
生きているだけで進んでいるじゃん
(笑)。
あ、向上心が無くなったら
後退じゃない?」
ー そういう意味の単語を考えればいいのか。
「“怠惰”かねぇ。プロとして、
怠惰になったらダメ」
ー 前進↔怠惰ということですか。
「ははは!そうなのよ。
取材とかでも“諦める”という言葉を
使うと『いやいやいや』って
言われるの。
全然悪い意味で言った
つもりはないのに、
フォローされているぞ俺、って(笑)。
例えば山に登るにもルートを
研究するでしょ。
地図を見ながらここに山道が
あるからこうしようって計画を立てて。
でも、実際に行ってみたら
地図とは違って思いのほか
木が生い茂っていたり、
地図にはないクレーターがあったり。
これじゃ自分の能力と体力と
残りの食糧では無理だなって悟った時、
いったん諦めて引き返すじゃない。
で、改めて地図を見ながら
考え直して、こっちがあるじゃん!
あ、行けた!となる。
それは後退ではない。
物事を始めたり作ったりするときに、
そういうことは日常茶飯事だよね。」
ー 諦めた先の行動をやめていないから、そういうそういう意味合いになるんでしょうね。
「そうだね。ひとつの選択肢が
減っただけと、いうかね」
ー ゴールデンの連ドラ初主演も話題になって、真ん中に立ってますね。
「そういう意味では、
ちゃんと周りのことも考えながら
やってますよ。
ある瞬間はわがままになって、
ある瞬間は甘えながら。
商業的に色々言われても、
背負いきれないのはわかっているから、
そこはもう、しゃーない。
『頑張るしかないです』
というスタンスで日々過ごしております」
NO5へ つづく・・・