〜接点なきサポーター 〜
「ファーストラヴ」原本では、
由紀と我聞には、
正親と言う一人息子がいる。
しかし、映画では子供は登場しない。
映画という限られた時間の中で、
削り落とした部分なのだろう。
では、何故か
どうしても道筋をシャープにするために
振らしたく無かったのだろうか。
環奈の事件と言う一つ大きなテーマが
始めから終わりまでを貫くには、
情報が、過多になってしまわないように。
由紀にとって、迦葉にとっての
重要なキーパーソンである我聞を
強調する必要があったのかもしれない。
しかし、
由紀の現在の状況は、
人生において全ての勝者(勝組)
で有るべきなのだ。
仕事での成功
家庭の確率、
この中に子供は幸福な家庭の
象徴ではないのか。
しかし
全てを表していたら、
2時間では終わらない。
幸せな家庭、幸福な家庭・・それを
ラストシーンで表したのかもしれない。
それが、我聞の個展
「家族のカタチ」
親子の写真、
子供の写真〜をテーマにすることで
由紀と我聞の幸福な家族を表す意味も
持たせたのかもしれない。
そこに、迦葉との家族愛
我聞を中心に置くことで、
迦葉と由紀もまた強いつながり
(お互いのファーストラヴ)
があるのかもしれない。
原本では、
ラストシーンは
由紀のクリニック関係の結婚式だったが、
それを我聞の個展に置き換えることで、
子供の部分をここで補い、
さらに迦葉と由紀の雪解けシーンも
敢えて2人は後ろ姿 そして、
その先には、我聞が映し出される。
この演出は、
中々良いなとわたしは気に入っている。