airaingood’s blog

2023年3月25日大安吉日、中村倫也さんが水卜麻美さんと結婚したことを公表しました。これからも、応援していきます。

中村倫也company〜「倫也さんに戦友が増えましたね。」

〜接点なきサポーター 〜

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倫也さんと北川さんは、戦友と言う感じですね。

同年代の共通することは分かち合い、お互いの持っているものは、刺激、あるいは尊重しながら、芝居という世界で戦う戦友ですかね。よそよそしくも無く、馴れ馴れしくもなく、良い具合で、そんなお二人の雰囲気が好きです。
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今回は北川さんとの対談ですね。

びゅあさんの記事です。

以下どうぞ、ご堪能ください。
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北川景子中村倫也の自然体な魅力「他者からの視線や評価も今は気にならなくなりました」
2/9(火) 7:06



迦葉は、ずっと胃の中に石を入れられているような役だった
(左)北川景子 (右)中村倫也

2月11日公開の映画『ファーストラヴ』で初共演を果たした北川景子中村倫也。ある殺人事件の真相を追う公認心理師の由紀と弁護士の迦葉。一言では表し尽くせない複雑な関係を演じたふたりだが、実際には1986年生まれの同い年。まるで級友のようなやりとりから、お互いへの信頼が垣間見える。



第159回直木賞を受賞した傑作サスペンスに、北川と中村はどのように挑んだのだろうか。

撮影に入ると、自然とふたりの距離感が縮まる。ボーズも、目線も、カメラマンが細かく指示を出さなくても、まるであらかじめ決められていたかのようにリンクする。その以心伝心ぶりが、ハードな撮影期間を通じて築いたふたりの結束の証だ。

「いい年して人見知りというのもあれなんですけど、私は初めて会う人にはいきなり素を出せないタイプで。現場に入るときは場を盛り上げようというか、つい『北川景子です!』って感じで入っちゃうんですけど」(北川)

「(お高くとまった口調をつくって)『北川ですけど何か?』でしょ?(笑)」(中村)

「違う(笑)」(北川)

「『ソイラテをちょうだい』みたいな。見たことないけど(笑)」(中村)

「あはは。でも、中村さんに対しては最初からそういうのがなくて。無理に人見知りではございませんという感じを装わなくても、いい意味で緊張している自分のままでいけた。そんな自分にびっくりしました」(北川)

肩肘張らない空気感は、演技にも自然と表れた。

「中村さんはお芝居も百戦錬磨の方ですし、助けてもらおうみたいな気持ちもちょっとあって。自分で台本を読んだだけじゃわからないようなところも、中村さんがこういうお芝居をされるんだったら私はこうしたらいいのかなって引っ張ってもらうことが何度もありました。なんか楽だったんですよね」(北川)

「こんな信頼される俳優います、他に?(笑) でもそこまで思ってもらえていたなら光栄です。芝居って相手のためにするものなので。役者だけに限らず、対人関係自体、楽な方がいいですよね。だから、北川さんが楽だったなら良かったです」(中村)

「あとは映画を観て印象的だったのが、迦葉と環菜さん(芳根京子)の面会シーン。あそこで環菜さんに向き合っている迦葉の顔を見て、真面目にやっているんだと思いました」(北川)

「…あれ、この主演、(迦葉を)茶化してます?(笑)」(中村)

「いやいや(笑)。環菜さんのために動いている目的は一緒なんですけど、(北川演じる)由紀と迦葉ではアプローチが違って、ふたりでいるとつい口喧嘩になっちゃうから。ある場面で迦葉に『本当に環菜さんのこと助けたいと思っているの?』と聞くシーンがあるんですけど。私も本気でそう思っていたんですよ」(北川)

「あははは」(中村)

「だからこそ、環菜さんと接している迦葉の顔を見て、迦葉も本当に救ってあげたいと思っているんだというのが伝わってきて。あれは、私が見たことのない顔でした」(北川)

「由紀の前ではずっと怖い顔してるからね。環菜を機に由紀が壊れていくのを見るのも怖いんだよ、迦葉は。繊細なんです」(中村)

「迦葉は、由紀がいないところの方が人間らしい感じがしました」(北川)

「そうだね。由紀の前では、由紀を想って、鎧を着ているんだと思う。僕にとっては、ずっと内臓を握られているような感覚でした。何て言うんですかね。いつもヘラヘラしてるんですけど、撮影期間中、ずっといたんですよ、迦葉が、僕の中に。だから、ずっと胃の中に石をつめこまれているような感じだった。そういうふうに役と共に生きたことがあんまり多くないので、それはひとつのチャレンジだった気がします」(中村)

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あの涙は、大事なものが壊れてしまった涙だった
中村に対し絶大な敬意を寄せる北川。一方で、中村も北川の人柄に、役者仲間として信頼を覚える場面があった。それが、由紀と迦葉がベッドを共にするシーンだ。

「女優さんとそういうシーンがあるとなったとき、スタッフも男が多いですし、監督も男性ですし、なんだかんだ気を遣うじゃないですか。でも北川さんは『そんな気を遣わなくていいですよ』と言動で示してくれて。それが超いい具合なんですよ、サバサバしすぎていない感じで。全体のことを考えて、ものづくりしやすい環境をつくろうとしてくださっていたのが伝わってきて、本当に素晴らしい人だなと」(中村)

「ありがとうございます。ああいうシーンってやっぱりちょっと恥ずかしいんですよね。でも、私がモジモジしていると、みんなやりにくいかなというのもあって。このシーンだからって特別にみなさん気を遣わなくていいですよ、と。いたって普通のお芝居の場面と変わりませんという感じでいようと心がけました」(北川)

このホテルのシーンは、由紀と迦葉の関係性を決定づける重要な転換点でもある。まるで切っ先鋭いガラスの破片のように、お互いを傷つけ合うふたり。演じ手としても、力の入る場面に見えた。

「ボタンの掛け違いのひとつで、ふたりの道が分かれていく分岐点となるシーン。僕個人としては、この分岐がふたりにとって良かったのか悪かったのかはわかんねえなと思いながらやっていました。ここで道が分かれたことで、傷が浅いうちにすんだと思えば良かったのかもしれない。いろんな可能性がある分、あれで良かったか悪かったかなんていうのはわからない。ただ、ふたりにとっては急に火花がスパークしちゃう瞬間。そうなったら儲けもんじゃいと思いながら、現場ではぼーっとしていました」(中村)

「由紀と迦葉は人としてすごく似ていて、一緒にいると安心するし、相棒ができたみたいな気持ちだったんです。それがああいうことになっちゃって。由紀があそこで涙を流したのは、大事なものが壊れてしまった涙だったのかなって。台本で読んだときはそこまで感じなかったんですけど、実際に現場で演じてみて思いました。迦葉が壁を殴る音とか、ドアを閉めて去っていく音とか、全部が悲しくて。きょうだいのようでもあり親友のようでもある人ってなかなか出会えない。そんな本当に大切な何かを失ってしまったという悲しさがありましたね」(北川)

今は見られるのがあんまり気にならなくなりました
由紀の奥底に今も残っているのは、少女時代の心の傷痕だ。異性から無遠慮に浴びせかけられる性的な視線。現代女性がなかなか言葉にできずに、ひっそりとしまいこんでいる苦しさが、本作の中では描かれている。

他者から見られる、というのは芸能人の宿命。表に立つ人間として、ふたりはそうした視線についてどう感じているのだろうか。

「10代の頃はどう見られているかが気になって。家の外を一歩出たら、みんなが北川景子として私を見ていることが怖かったんですよね。でもそういう生活の方が長くなって。最近は見られているもんだと思って生きちゃっているので、あんまり気にならなくなりました。そこはもうあきらめて生きています(笑)。どうですか?」(北川)

「僕もヘラヘラ生きているんで(笑)。見られているときはちゃんとしなきゃなって思いますけど。麻痺しているところもありますよね、この仕事していると。あとは視線というか評価ともかもそうかもしれない。ファンの人から質問を集めると『評価が気になって緊張して何もできない』っていうのが結構来るんですよ」(中村)


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「それは私もあります」(北川)

「本当? 俺は全然なくて。若手がね、エゴサしてるんですよ」(中村)

「あ、それはしちゃダメ。いいことって絶対書いてないもんね」(北川)

「若手の芝居が如実に変わってるから、『どうした?』って聞いたら、エゴサしてヘコんだみたいで。そんなもん気にするなバカって言いました(笑)」(中村)

「私は怖いから絶対見ない。ネットは見ないって決めてる」(北川)

「僕は演劇が長かったんで。演劇やっていると毎日いろんなお客さんが来て、いろんなことを言うんですね。特に若手時代はアドバイスのつもりで意見をおっしゃるお客さんもいるんですけど、それを全部聞くことはできないですから。『僕らはこのラーメンがおいしいと思っています。お口に合えば』というスタンスがシンプルでいちばんいいですよね。だから、人の目も気にはかけるけど気にはしていないということが多いです」(中村)

ずしりと重いテーマを背負った本作だが、作品を離れれば、ふたりの呼吸や佇まいはどこまでも軽やか。自然体のふたりが演じた由紀と迦葉を多くの人に見届けてほしい。

撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明


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