中村倫也company〜「世界ネコ歩き中村倫也インタビューvol4」

〜接点なきサポーター 〜
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中村倫也のナレーションがネコたちの世界を包み込む「癒しを求める今の時代にぴったり」
2021/01/08 08:00 配信


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岩合さんはどこか自分と近い匂いがある

――岩合さんが劇中で発せられる声も優しく穏やかですよね。それこそ、映画1作目のときに本誌で取材させていただいたときは、立派なお坊さんの説法を聞いているような清々しい気持ちになりました。

自然や生きものを相手にしている方なので、人間社会とはちょっと違う視点をお持ちなんでしょうね。なので、そういうところに“説法感”が出るのかなと。そういう意味では、僕もよく“説法感”あると言われるんですよね(笑)。

――そうなんですか(笑)?

もちろん、岩合さんはその世界のプロですし、僕なんかよりもはるかに多くの体験をされていますが、いわゆる“ポップな動物好き”を超えた“イっちゃってる動物好き”にはそういうところがあるのかもしれませんね(笑)。これは岩合さんもおっしゃってくださったんですが、どこか自分と近い匂いがあるというか、共通する視点があるんだと思います。

――今回の映画では、北海道の牧場とミャンマー湖水地方で暮らすネコの家族が登場します。その中で中村さん自身の“推しネコ”、もしくは印象に残っているエピソードはありますか?

(3歳の大人ネコになっても母親が大好きな)カーショが情けなくて好きでしたね(笑)。あと、(カーショとは北海道の同じ牧場ながら別の牛舎で暮らす)サボも子ネコらしくてかわいかったです。みんなそれぞれに個性があって、みんなかわいい。でも、驚いたのはミャンマーのネコたち。なんで(本来ならネコが苦手なはずの)水が怖くないんでしょうね。

――それは確かに驚きました。イヌならともかく、ネコがあそこまで自然に泳ぐ映像は初めて見ました。

多分、湖上にある家で暮らしているから、彼らにとってはそれが当たり前になっているんでしょうね。劇中に子ネコのシュエが湖に落ち、それをお母さんのメーワーが助けに行くところがありますが、あれも僕たち人間が見たらビックリするけど、たぶんメーワーからしたら、(人間界で)子どもが何かをひっくり返して「もう~!」みたいな感じなのかもしれませんね(笑)。

――それでもメーワーが自分の子どもが湖に落ちたのに気づくのが早くて、そこに母親の愛を感じました。

ネコは耳がいいですからね。でも、まだ何も知らない子ネコが湖に落ちたら危険ですし、そこは母親としての察知能力というか、危機管理能力が作動したんだと思います。あと、個人的にはミャンマーパートに登場する(ネコたちの飼い主)の少年も気になりました。いつか、あの少年に密着して「世界ネコ“飼い主”歩き」も見てみたいと思いました。

――映画の終盤にある岩合さんの「1人、1人が違っていていいんだよ」という語りが印象的でした。それはサブタイトルの「あるがままに」という言葉にもつながっていると思うのですが、中村さん自身、この作品を通して改めて思ったことはありますか?

ナレーションの仕事は好きですが、こうやって(取材などで)お話させていただくときの立ち位置が難しいんですよね(笑)。というのも、僕が直接的に作っているわけではないのに、(ナレーターとしては)作り手側に半分足が入っているので。なので、僕がどう思うのではなく、見てくださる方がどう感じて、どう思うのか。それは岩合さんがおっしゃっている「1人、1人が違っていていいんだよ」というのにつながるのではないかと思います。そのうえで、(人間界の)日常の思考パターンとは違うところで受け取れる作品は、癒しを求める今の時代にぴったりなんじゃないかと思います。


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