中村倫也company〜「二人の男性像」

〜接点なきサポーター〜

f:id:airaingood:20201222091231p:plain

何を求めている???

まとめる必要ある???

私は、

浅羽さん中心で見てきたから、

また違う展開ですね。

先ずは全文掲載します。


・・・・・・・・・・・・・

『恋あた』が示した恋愛ドラマの新たな形 中村倫也×仲野太賀が演じた2人の男性像を考える
12/22(火) 6:11

『この恋あたためますか』(c)TBS
皆さんは恋愛ドラマに何を求めるのだろうか。現実世界ではありえないような恋、例えば異国の地に不時着してイケメン将校に助けてもらったり、いつかに一目惚れしたイケメンドS医師に再会するためにナースになったり。“どれだけありえない展開になっても、絶対に主人公と主人公の好きな人が結ばれる恋物語”。疲れたときとか、単純に胸キュンしたいときはそういう“おとぎ話”を求めてしまう。しかし、一方でリアリティのある恋物語を“画面の向こう側”にも欲してしまう。なぜなら、私たちは現実で実際に自分が主人公となって、恋愛をしたりしなかったりするから。誰かが教えてくれなかった恋愛の選択肢や方法が、そこで一例として描かれてもいるわけだ。

f:id:airaingood:20201222091343p:plain

 胸キュンハッピードラマが流行る一方で、近年はそんな風に自分の現実と照らし合わせて共感し、何か新しい視点といった学びを得られるリアリティ指向のドラマも一層増えてきた。そんな中、『この恋あたためますか』(TBS系)が世間の注目を浴びている。

 スイーツに関して秀でた主人公の樹木(森七菜)が、その才能を浅羽社長(中村倫也)に買われ、そこから浅羽へ恋心を募らせる。まさに「コンビニ店員がコンビニの社長に恋をする」という韓国ドラマばりに王道な格差設定。そこに樹木が配属されるスイーツ課の先輩であり浅羽の元カノの里保(石橋静河)、そして樹木に最初からアタックしまくるスイーツ職人の新谷誠(仲野太賀)を巻き込んだ四角関係という要素が加わってくる。

・非現実系恋愛ドラマの設定でリアルな展開を描いていた、が……

 しかし、これほどまでストレートに主人公がドラマ中盤でこっぴどく、はっきりとフラれる作品も珍しい。会社を追い出された浅羽に、一度は諦めて自己処理していた恋心を思わず伝えてしまった樹木。その「好き」という言葉がしっかりと相手に聞こえてしまい、浅羽から告白の答え「ごめん」を受ける羽目になってしまう。非現実的な恋愛ドラマの設定で始まったと思いきや、そこに本作のリアリティ度の高さが見られた。

 告白を断った背景には浅羽が元カノの里保と再び付き合い始めたこともあった。彼らは以前、結婚も考えたという大人な付き合い方をしていて、若干21歳の樹木の恋心とは少し違う種類のものだ。デートの仕方をとっても、浅羽と樹木は合わない。価値観も、会話も少し距離がある。つまり、単純に浅羽と樹木は現実的に合わない相手なのだ。

 しかし、最終回を目前にして突如「俺には君が必要なんだ!」と浅羽が樹木ちゃんに告白し返す。これは非現実的な恋愛ドラマの「くっつくはずのない2人でも、最終的には主人公の意のままに結ばれる」という定番の流れそのものじゃないか。ええ、リアル指向じゃなかったの!?  やはり設定通り夢いっぱい系なの!? と、ここで筆者は度肝を抜かれた。

 本作は早い段階で2カップルが成立。こういう演出は、大概片方が納得していなくて、結局本当に好きな人の元へ行ってしまうイベントの布石でしかない。ところが、本作の場合それが一味違った。というのも、2カップルそれぞれが本当に良い感じで、収まるべくところに収まっていたからだ。

 仕事で自信をなくす里保を励まし、お仕事のご褒美でネックレスをプレゼントしてイチャコラする浅羽。等身大のデートが居心地よくて、どんなときにも側にいてくれる誠の温もりを理解して受け入れる樹木。そんな風に里保、誠の「好き側」の2人だけでなく、浅羽と樹木という「好かれる側」の2人もちゃんと交際に満足している様子が丁寧に描かれていたのが好印象だった。

 それなのにも関わらず里保がまだ好きなのに浅羽をフって、カップルを解消させたことで、浅羽→樹木という本来もっとも可能性がないはずの矢印が生みだされた。この展開、正直言って無理があるように思える。全然リアルじゃない。第9話のラストでは視聴者の大半が「どう考えても、まこっちゃんだろう!」と画面に向かって叫んだはず。それは、浅羽の言動における動機が不十分であるが故に覚えた違和感と、逆に一貫性のある姿勢を見せてきた誠を比べてみて、後者の方が圧倒的に納得できるからだ。

 大体、結婚を視野に入れていた元カノと復縁した時点でそれは真剣交際そのものではないのか? そして里保さんが以前別れたとき、理由も聞かずにあっさりと承諾したことを後悔しているからこそ、今回浅羽はちゃんと困惑した気持ちであることを表した。ほら、浅羽はちゃんと里保のことが好きなのだ。しかし、気がつけば里保の言う通り樹木を誘い出す。それも、「よく分からない自分の恋心を確かめるため」に。自分のことを慕ってくれている誠が、彼女と交際中であることを知っていて、彼に隠れてデートに行くってどうなの?

 そんな脈絡のない行動が、結果「やはり樹木のことが好きではなかった」ことに気づくために必要だったのであれば、納得が少しいく。そういうこと、現実でもある。実際デートを重ねた結果、樹木とは合わないし(実際そう言っていた)、里保の方が自分に合っていたと思ったのではないだろうか。それを里保に伝えて、彼女から離した手を再び彼が握れば良かった。そうすれば、「やはりこのドラマはリアリティ指向だったんだ!」となるのに、なぜか真逆の方向に走り出してしまった浅羽。まるで道化のように、突然キャラがブレはじめて収拾がつかなさそうになっている。しかし、この道化っぷりに意図があると考えるとどうだろう。

・恋が温まりきっていない浅羽の“真の役割”はもしかして……

 新谷誠は、言ってしまえばこれまでの恋愛ドラマによく出てくる「二番目の男」。どう頑張っても、主人公と主人公の好きな人の間に入りきれない、でも物語に多少のエッセンスを与えてくれる「いい奴」。最終的には主人公に振られて、彼女の幸せを笑顔で願ってあげる、そういう男の役割だ。だってどんなに頑張っても、どんなに樹木ちゃんといい感じになっても、肝心なところでイケメン社長が割って入ってくる。彼のことだか二番目の男の役割を全うしてフラれて、「幸せになれよ、拓兄!」なんて笑顔で応援してしまうだろう。でも、私たち視聴者は誠に幸せになってほしい。浅羽には申し訳ないけど、やはり樹木ちゃんと誠がうまくいくことを願ってしまう。なぜなら、私たちは本作を通して素朴だけど一途で温かいまこっちゃんの良いところにたくさん気づけたからだ。

 しかし、それは浅羽(ハイスペックイケメン社長)という比較対象があってこそのこと。つまりこのドラマ、これまで一番手男子と悪い意味で比べられて使い捨てられてきた二番手男子が、逆にいい意味で比べられてその真価をお茶の間に届けることに成功しているのだ。ドラマのなかで“なぜか”恋愛対象に絶対入らせてもらえなかった彼らに巡ってきた好機。ドラマがリアリティ指向となり、登場人物や恋の種類が多様化してきた中で、それを観て胸キュンする視聴者の“イケメンの定義”みたいなものに一石を投じているように思えて仕方ない。まこっちゃんは深夜にラーメン食べに行こうってバイク走らせてくれるし、公私ともに支えてくれる。何より2人だけでUNOがあれだけ楽しく遊べるのだ、もう二番手どころか理想の彼氏像としてしっかりハイスペじゃないか! まこっちゃん系男子はイケメンだ!

 振り返ってみると、恋をあたためてきたのは樹木と里保と誠の3人で、浅羽の恋愛感情はドラマのなかでごく控えめに描かれている。本来、主人公と絶対結ばれる相手ならもう少し彼の感情の行方にフォーカスが当たってもおかしくないのに。しかし、もし誠を引き立たせるためにそう描かれたのであれば、脱帽だ。もし最終回で誠が選ばれなかったとしても、常に二番目で報われない男性の良さを丁寧に、ぞんぶんに引き出したことこそが、本ドラマの真価なのではないだろうか。もう、とりあえず意地悪なイケメンより、優しい等身大の男の子の方が画面の向こう側で一番手になる時代が、すぐそこに来ているかもしれない。

リアルサウンド編集部

中村倫也#恋あた#浅羽拓実#中村倫也#恋あた